事業内容

教育評価の調査・研究、新しい評価方法の普及のための出版、講演活動

4つの研究分野

入試制度 GCSE試験、Aレベル試験、大学入試改革についての提言
各国のカリキュラムと
評価システム
イギリス、オーストラリア、カリキュラム構成論
評価理論 スタンダード準拠評価、ドメイン準拠評価、信頼性、妥当性、モデレーション
わが国の学習評価の
在り方について
指導要録の在り方についての提言

設立の目的

教育評価は1980年代後半から大きく変わりつつあります。それまでのペーパーテスト、得点、偏差値といったテスト中心の評価から、パフォーマンス評価、ポートフォリオ評価、スタンダード準拠評価など、評価の基本原理を異にした新しい評価方法が登場し始めました。このような教育評価の転換はパラダイムの転換とも言われております。本研究所は教育評価のパラダイムの転換を踏まえた最先端の評価の考え方、実践方法などの研究調査、普及(出版、講演)を目的として設立されました。

例えば、本研究所はイギリスのGCSE試験(高校入試に相当、資格試験)やAレベル試験(大学入試に相当、資格試験)を詳しく研究していますが、これらの資格試験では日本語にして2000字から3000字程度の記述式の試験が中心となっており、30点から50点満点で採点されています。わが国では大学入学共通テストでの記述式の問題で、100字程度書かせるだけでも、公平な採点ができないのではないかという反対論が沸き起りました。イギリスのこれらの試験を考えれば大変な違いです。わが国ではこのような試験を実施する技術的な方法についての研究が遅れているため、騒ぎが起きてしまいました。

中国でもわが国のセンター試験に相当する試験は記述式が中心です。このような諸外国の状況と比較すれば、我が国の現状の深刻さが分かると思います。本研究所はこの分野の研究調査をしている唯一の研究所です。

さらに、わが国の小学校から高等学校までの学校内の評価は、50年以上昔に広まったペーパーテスト中心の評価を用いており、1980年代以降に開発された、新しい評価の考え方が十分に理解されていないのが実情です。この学校内で用いることのできる、新しい評価方法の普及を図ることも本研究所の設立目的の1つです。新しい評価方法を用いれば、これまでのペーパーテストでは評価できなかった、児童生徒の能力を見つけて評価することができます。このような評価により、児童生徒の自尊感情や自己効力感を高めることができます。

大学入試から学校内での評価まで、最先端の研究調査とその普及を通じて、児童生徒の能力の発達を援助していくことが、教育評価総合研究所の目標です。

代表理事 鈴木 秀幸

略歴

1994年 ケンブリッジ大学付属試験機関でSchool Based Assessmentの資格認定を受ける
2000年 教育課程審議会「指導要録検討のためのワーキンググループ」専門調査員
2009年 中教審教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ」専門委員
2018年 中教審教育課程部会「児童生徒の学習評価の在り方に関するワーキンググループ」専門委員
教育誌「指導と評価」編集委員

著書

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